26 『復員文学論』
26 『復員文学論』 (1の復刊) インパクト出版会 1997.11
サブタイトルだった「復員文学論」をメインタイトルに変えた。この一事だけでも、長年の喉のつかえがおりた想いだった。

復刊の機会に当時の書評の主なところを転載させていただいた。けっこう反響の数は、局地的といっても、多かったのだ。思い出すのも恥ずかしい全共闘ブーム。その末期に書かれた本の歴史性からは否が応でも離れることはできないだろう。
「十四年後のあとがき」というかたちで書いた加筆部分は、わたし自身にとっても含蓄深い。己れの批評行為が終わっていく場所をわたしは一貫して求めているのかもしれない。それはいつの頃からか、わたしの渇望にも近かった。性急に探しても見つからない。
追加した頁
同時代書評集成 「本当の嘘」という虚像 ダカーポ
回収と自立 栗原幸夫
復員革命論 平井玄
復員の両義性 杉村昌昭
『山猫の夏』と『復員文学論』 平岡正明
喪失した歴史感覚の回復 井家上隆幸
時期を逸した問い 神津陽
今年の収穫一九八四年 上野千鶴子
自己否定なき世代からの試み 噂の真相
あの「闘い」の絶対化 天野恵一
復員文学論、十四年後の未完に向けて
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