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32『 ミステリの書き方12講』

32『 ミステリの書き方12講』

32『 ミステリの書き方12講』    青弓社    1999.9 

                

 セミナー講座の開始から企画がまいこんだ本。記述は現在進行形をとり、四月期に始まった半年のクラスが終わる前に本はできあがった。十月期からのクラスでは教科書に使うことにした。その意味で、耐久度のある本だ。

 類書はいくらでもあるが、やはり異色の一冊か。

  目次 第一講 見る前に跳べ
     基礎演習編 第二講 読み書きを鍛える


           第三講 題材の取り方
           第四講 取材をいかにこなすか
           第五講 すべてに先立って、ミステリとは何か
     実践突入編 第六講 ディテールの箱をつくれ
           第七講 ファースト・シーンを描いてみる
           第八講 人物をデッサンする、人物配置をつくる、会話をさせる
           第九講 ナレーションの問題
           第十講 構成とプロット、および会話
           第十一講 トリックの話–おまけ
     第十二講 跳んでから見ろ


 この一冊は、2014.5 電子本化された。

 ミステリの書き方12講』

 ひょんなことから創作講座の講師を勤めることになった著者が初めて書いた創作マニュアル本。
 なにしろ毎回が「ああでもない、こうでもない」と、手探り状態。とにかく、これを基にして、そのあと数年の講師業がつづいたわけである。
 改訂版は二度にわたって出ているが、最も初心鮮やかなのは、この初回ヴァージョンだろう。教室の反応がダイレクトに伝わってくる。意図して書けるものではなく、たしかに「教室」を動かしていたリアルな熱量が、のりうつっているかのようだ。
 その初回ヴァージョンを、デジタル版で。

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