30『京極夏彦読本 超絶ミステリの世界』

30『京極夏彦読本 超絶ミステリの世界』 情報センター出版局 装丁鈴木成一 1998.12
京極作品およびそのブームについては、折にふれ、書いたり書かされたりしてきた。ついに一本、集中して仕上げることになった。類書のない作家論の本としては『リュウズ・ウイルス』につづく。現代の不安の根に少しでも迫るか。
目次 序章 京極夏彦は妖怪である
一章 館の崩壊 『姑獲鳥の夏』
二章 匣の建築 『魍魎の匣』
三章 夢の交易 『狂骨の夢』
四章 檻の破砕 『鉄鼠の檻』
五章 蜘蛛の巣の完結 『絡新婦の理』
六章 嗤う京極・お岩の逆襲 『嗤う伊右衛門』
七章 闘争の予兆 『塗仏の宴 宴の仕度・宴の始末』
八章 ふたたび館の脱構築 文庫版『姑獲鳥の夏』
本文妖怪画 水木しげる
この一冊は、2014.5 電子本化された。
百鬼夜行シリーズの初期六作を徹底解読した京極夏彦論の先駆!
ルールの転覆、ありえない世界、進化する密室、双子のお姫さま、記憶の錯乱と仮想現実、増殖する結末のストーリー、隠された女性原理、苦悩する妖怪、最終探偵小説への奇妙な情熱……。京極小説には「不思議なことなど何もない」。
加えて、このデジタル版には、より広い領域に変容していく「妖怪作家」の変身の兆しをとらえた、以降の論考八本を特別付録としてつける。
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